私たちの思い

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モリヤマの創業者、森山金蔵が京都で友禅の蒸熱処理および水洗加工の繊維工業に携わっていたのは大正末期のこと。
昭和に入りナイロンが発明されると横浜スカーフの好況を機に金蔵は良質な水を求め移り住んだ横浜上星川で独立を果たし、これが我々モリヤマのスタートとなりました。
やがて第二次世界大戦の激化とともに軍事産業が盛んとなる一方で捺染の需要は減少し、働き手であった大人たちも戦争に動員されることで難しい局面を迎えましたが、昭和20年の終戦後は、進駐軍の土産物としてスカーフ・ハンカチなどが売られるようになり、捺染や捺染の後処理である蒸し・水洗の仕事も活況を取り戻し、昭和29年の「森山捺染株式会社」設立に至りました。

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上星川での創業当初は、染め物の水洗には工場近くの帷子川を利用していましたが、それが川の汚染につながると問題視されるようになり、我々は井戸を掘ることにしました。
60mほど掘り進めるとめでたく水が出ましたが、吹き出したのは真っ茶色の水。成分分析をしてみるとそれは温泉水でした。
その後、水洗に適した清い水の確保には、国鉄が近くの山にトンネルを掘削した際に溢れ出た伏流水の権利を獲得し、山からその水を引き入れることで解決を図りました。

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当時の上星川は、繊維に関連した様々な工場が軒を連ね、多くの人が行き交う場所でした。
やがて商店街ができると、どの店舗も活況を呈し、上星川は繊維関連工場を核に大変活気のある街になりました。我々の業績も好調で染物を製造・販売する老舗の一つとして上星川で成長を続けました。
しかし、1980年代に台頭したモノトーンファッションの流行により、捺染の仕事は徐々に苦境に立たされることになりました。上星川の捺染業者も一軒、また一軒と工場を閉鎖するなか、モリヤマも新しいビジネスへの転換を模索しました。我々の資産は何であるかと今一度考えを巡らし行き着いたのが以前湧出した温泉と山から引いた清澄な水でした。
もともと繊維加工の過程で水を浄化するノウハウは持っていたため温泉水と自然水を使った温浴事業への手探りの挑戦「天然温泉 満天の湯」をスタートさせたのでした。

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温泉事業の立ち上げから、業績が回復する過程で、私たちは上星川に勢いが失われていくさまをじくじたる思いでずっと目にしてきました。
かつては数多くの捺染工場が存在し、商店街には活気がありましたが、繊維産業の怪しい雲行きに伴って、商店街もシャッターを降ろす店舗が増え、果ては店舗が建っていた場所に住宅やマンションが建ち並ぶようになりました。
「捺染をやっていた頃、地域の皆さんに迷惑をかけることも多々あった。今こそその恩返しをするときである」。そこで我々は、地域に貢献する企業になることを目指し、「満天の湯」の温浴事業とともに不動産賃貸業に事業の重心を置く組織の再編成を行いました。

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我々が創設した「地域貢献担当者」も地域とともにあるべく企業としてのひとつのチャレンジです。
会社の利益を追う営業ではなく、毎日商店街に顔を出しては、お困りのことを伺ったり世間話をしながら、店主や地域の方々とのコミュニケーションを取ることも、地域を資産として捉える大方針に基づいた活動です。
目の前の課題と向き合いながら、広い視野と長いスパンで地域に密接に関わる姿勢がなによりも大切であるとモリヤマは考えています。

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地域とともに
成長していく
企業でありたい

代表取締役

MORIYAMA GROUP

代表取締役

森山 元明

代表取締役

捺染事業を上星川で展開していた当時、工場では燃えやすい化学繊維を扱っていたため、高い壁のせいで風通しを悪く感じたり、薬品の臭いを気にされる近隣の方もいらっしゃったと思います。捺染事業がどれほど地域に迷惑をかけてきたか、それは誰よりも私たちが理解しているつもりです。
この思いは、地域と共にこれからもっとより良い街作りを目指していくという、モリヤマの企業哲学の源泉になっています。

『企業の目的は社会への奉仕』

学生時代に、経済学の授業で教授から出た『企業の目的は社会への奉仕』という言葉は、今でも私が大切にしている言葉です。
地域や社会の奉仕にならない事をやっていては、企業として成り立たない。これはその後、企業家として送った自身の半生で得た様々な経験や知見と見事によく重なるもので、私のひとつの行動原理になっています。
自分たちのためだけに目の前の利益を追いかけていても、結局は何も残りません。人は地域のため、社会のために働いてこそ、後世になにかしらの足跡を残せるのだと私は確信を持っています。

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地域活性化へのきっかけとして

森山捺染株式会社があった頃は、高い煙突が上星川のランドマーク的な存在でしたが、今はそれがこの満天の湯に変わったのではないでしょうか。
地域活性化のためになるなら、この満天の湯をどんどん利用してほしいです。
温泉に入ったついでに、買い物をしてもらいましょう。遊んでもらいましょう。上星川にはまだまだ魅力あふれるものが沢山あります。私たちがそれらを知るためのキッカケになれば嬉しいです。